大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(人ナ)2号 決定

請求者 ローレン・エフ・ルーベンスタイン

拘束者 日本防空矯正所長 米軍少佐 ドナルド・イー・ピアス

〔抄 録〕

およそ外国軍隊が条約または駐在国の承認によりその国に駐留する場合、当該外国軍隊そのもの、ないし軍隊に属する者の公務執行行為に関しては別段の取極のない限り、駐在国の法権に服するものでないことは確立した国際慣例とされるところである。ところで日本国内に駐留する合衆国軍隊はいうまでもなく「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約」(昭和二十七年四月二十八日条約第六号)により、合衆国が日本国内に維持する軍隊であつて「日本とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定」には、合衆国軍隊そのものの行為ないし合衆国軍隊の構成員がその公務の執行としてなした行為について当事者として、日本国の裁判所の裁判権に服することを認めた規定は存しない。ただ、行政協定第十八条の6(a)の後段に、「その他のすべての種類の事件については日本国の裁判所の民事裁判権に服する。」とあるので、本件のごとき人身保護請求事件も、この種類の事件に入るかのような疑をもつのであるが、その前段の、「3に掲げる請求に関しては日本国において訴を提起されることがない。との規定及びこれに関する第十八条3並びに「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定に伴う民事特別法」(昭和二十七年四月二十八日法律第一二一号)等の規定に徴して考えれば、合衆国軍隊の機関が、公務の執行としてなす拘束を不法とし、右軍隊の機関たる拘束者を当事者としてこれが救済を請求するがごときは前記行政協定第十八条6(a)後段所定の日本国の民事裁判権に服する「その他すべての種類の事件」に該当しないことは極めて明白である。よつて本件が、右のような日本国の民事裁判権に属するものとしてなした保護請求は失当たるをまぬかれない。

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